日本の古代史に興味が湧くとどうしても避けて通れないのがユダヤというキーワード。
界隈では古代日本にユダヤ人が関与していることは当然の事実と見なされている。
かつてはある種陰謀論的な扱いをされてきた日本人とユダヤ人の関係性について、近年加速度的に情報が出てきている。特にyoutubeでは、先祖代々口伝を継承してきたような人たちが語り始めていて大変興味深い。
とはいえ情報が開示されればされるほど、過去が未来と同じように不確かであると感じざるを得ないのだが。。。
そんな中、千葉県の芝山町にある通称「ユダヤ人埴輪」の存在を知った私は、どうしても現物を見たくなり、見に行くことにした。
ユダヤ人埴輪と喝破した田中英道さん
千葉県の芝山町で昭和31年(1956)に発掘調査が実施された殿塚古墳・姫塚古墳。
発掘された多量の埴輪のうち、奇妙な格好をした埴輪があった。
それを「古代ユダヤ人の格好だ」と喝破したのが、美術史家の田中英道さん。
従来の歴史研究の文脈を傍に置き、美術史の専門家として埴輪の「形状」に特化した考察を行った田中さんだからこそ、そこにある民族的な特徴に気がついたとのことだ。

右側の男性の格好に注目。
wikipedia -Jewish religious clothing-
Hasidic Men on Street – Borough Park – Hasidic District – Brooklyn – New York – USA by Adam Jones

美術史で培った洞察力をベースに
尖った歴史解釈で新たな古代史観を提示する
田中英道さん

この埴輪は令和6年、国の重要文化財に指定されたんだって



発掘から文化財指定まで70年近くもかかったんだね
芝山古墳・はにわ博物館へ
芝山町は成田市の南東部に隣接している。
成田空港から大空へと発進する飛行機を横目に芝山町に入ると、埴輪モニュメントが道路脇に出現する。
芝山町にとっては埴輪は重要な観光資源のようだ。
確かに古墳や、遺跡が発掘されると、そのエリアでの開発は限られてくるのでそれも当然だ。












やはり髪型、髭、帽子など、東アジア以外の地域から来た渡来人という印象を受ける。
ユダヤ人の伝統衣装を見た後は、それとしか思えなくなる。
古墳時代は3世紀中頃 – 7世紀頃だが、この時代に山高帽があったことに驚かされる。
美豆良(みずら)はまた、古代のユダヤ教徒の独特の髪型でもあります。耳の前の毛を伸ばしてカールさせる「ペイオト」とよく似ています。ユダヤ人は、自分たちが他の民族と違うことを肉体的に表現するため、髪の毛や髭、また割礼などをしていました。
田中 英道. ユダヤ人埴輪があった! 日本史を変える30の新発見 電子特典付
(扶桑社BOOKS) (Function). Kindle Edition.



ツインテールに見えなくも無いけど、うねりが強いっ



ドレッドヘアみたい
もちろん、ユダヤ人埴輪以外にも様々な展示物がある。










芝山町周辺の見どころ
埴輪だけ見に行くのもアレなので他のスポットも巡った。
麻賀多神社本社 〜SUN RA的な神輿に注目〜
千葉の印旛周辺エリアにのみ30社近くあるという麻賀多 (マカタ) 神社。
意味深な名前は、千葉県がかつて麻の産地であったことに由来していそうだ。
1700年超の歴史があり、延喜式神名帳1にも名前が乗っている由緒正しい神社だ。
また、岡本天明という神道の研究者が神がかりで書いた本「日月神示(ひつけしんじ)」はこの神社で書かれたという。
大きい神社では無いけど、神聖な雰囲気が漂っていて、気が良いのが分かる。
地元の人がよく訪れる。
神社の横に神輿が格納されているが、それがとてもカッコ良い。SUR RA的な世界観。
主祭神は稚産霊命(わかむすびのみこと)または稚日霊命(わかひるめのみこと)とのこと。











豪華なお神輿!



江戸時代に360両という大金をかけて作られたらしいよ
「佐倉の秋祭り」で担がれるんだって。
- 平安時代中期に制定された国家の法制書「延喜式(えんぎしき)」の中で官社を指定した一覧 ↩︎
成田山 〜将門の乱を鎮めるべく運ばれた不動明王〜
初詣の参拝者数が300万人を超え、明治神宮と並ぶ人気スポットとして有名な成田山新勝寺。
ご本尊の不動明王像は、平将門の乱を鎮めるべくこの地に運ばれてきたと言う。
真言宗の寛朝(かんちょう)大僧正が護摩を焚いて乱が鎮まるようにと祈願したところ、祈願最終日に乱が平定され、
それをきっかけに新勝寺は開山したとのこと。
江戸の情緒を色濃く残す参道エリアを歩くだけで、旅行気分を味わえる。











成田は飛行機に乗りに来る場所だと思っていたけど、見所満載!



古い街並みが残っていて旅行気分に浸れるけど、土日は混雑しそうだね
飯沼本家 〜「甲子」シリーズで有名な酒造〜
「甲子(きのえね)」という千葉の日本酒をご存知だろうか?
印旛郡酒々井にある飯沼本家という酒造のお酒で、とても美味しいのだ。
私は5,6年前に近所の酒屋で知ってから贔屓にしていて、生酒を一升瓶で何度か買っている。
酒造に行くのは初めてだ。
夕暮れ近い時間に訪れた飯沼本家はキャンプ場、レストラン、ギャラリー、体験型農園などを兼ね備えたとてもモダンな酒造だった。夏はブルーベリー狩りもできるらしく、ハイセンスな和食レストランも含め、また来たいと思える素敵な場所だった。
そして、立春の朝に搾る特別なしぼりたて純米吟醸生原酒「立春朝搾り 甲子」を一升瓶で買うことができた。
これがピチピチしていてとてつもなく美味しいのだ。




佐倉天然温泉 澄流 〜源泉掛け流し〜
このエリアで温泉を調べていると、天然温泉としては佐倉天然温泉 澄流(すみれ)が良さそうだった。
「含よう素―ナトリウム―塩化物強塩泉」とのことで、茶色く濁った温泉がビジュアルからしてとても効きそうだ。
軟水にこだわった洗い場、源泉かけ流し岩風呂、 超軟水高濃度炭酸泉、オートローリュで熱々のサウナなど、申し分ない温泉施設だった。食事処は至って普通だったが、その他は大満足。


総評 千葉北部は古代史解釈において重要
東京育ちの私は、幼少期から千葉へ家族旅行をすることが少なくなかった。
多くの場合、目的地は南房総エリア、旧国名で言うところの「安房の国」だ。
ご存知の通り、千葉県は安房、上総、下総の旧三カ国から成っている。
そして、古代史、酒造めぐりという切り口から見ると、千葉北部の下総国エリアに惹かれる。
今回は行けなかったが、香取神宮や寺田本家もあるのだ。
近年、日本のルーツ研究で最重要スポットの一つとして見られている「阿波の国」との関係、
朝廷の祭祀を担い、麻を司どった忌部(インベ)氏の話、千葉エリアに存在したという説がある「日高見国(ヒダカミコク)」なども含め、とてもミステリアスなエリア、それが千葉なのだ。
最後に千葉県庁のページの文章をフィーチャーし、この旅を締めくくろう。
「古語拾遺(こごしゅうい)」によると、天富命(あめのとみのみこと)は阿波斎(あわのいん)(忌)部(べ)を率い東国に赴き、麻を栽培させます。このとき良質の麻が成長したところを総(ふさ:麻の古語)の国といい、阿波斎部が住んだところを安房と名づけたといわれています。総の国は都に近い方が上総、遠い方が下総と呼ばれました。安房国の「房」と上総国、下総国の「総」を組み合わせて「房総」と呼ばれています。
「千葉県庁WEB 千葉県のあゆみ」引用
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