仕事がらパソコンと向き合うことが多い私は、時として自然に触れたくなる。
自然に触れない生活をしていると息苦しくなってきて、気がつくとgooglemapを調べている。
2、3ヶ月に1度はそんな発作が起きる。
良い空気を吸って、大地のエネルギーを受け、すくすく育っている樹木のVIBESを浴び、温泉に入って帰る。
そんなパーフェクトな心の休日を過ごすには、低山トレッキングが最適。
というわけで今回は首都圏からアクセスの良い低山の代表格「筑波山」に行ってきました。
ちなみに筑波山に行くのは中学2年生の遠足ぶりなので、凡そ30年ブリ。
筑波山豆知識
誰が言ったか知らないが「西の富士、東の筑波」という言葉があるくらい、誉高い筑波山。
私が知っている情報をまとめてみた。
- 男体山、女体山という2つの頂をもつ双耳峰(そうじほう)
- 男体山では伊弉諾尊(イザナギノミコト)、女体山では伊弉冊尊(イザナミノミコト)が祀られている
- 男体山、女体山の両宮が創祀されたのは神武天皇の時代といわれる
- 江戸の北東=鬼門を守る山、神社として、徳川幕府から厚く庇護されていた
- 万葉集で最も多く詠まれている山である。その数富士山の11首を超える25首
- ガマの油売りが有名

ガマの油ってオーガニックな薬って感じで惹かれるなあ



最初にそれを傷口に塗った人、すごいなあ
山麓の筑波神社までドライブ
まずは筑波神社 拝殿(海抜270m)まで車で向かう。
つくば市に入る頃には筑波山の悠然とした姿が気分を高めてくれる。低山ではあるが、周囲に高い山が無いせいか、どっしりとした存在感がある。
途中の山腹にはひなびたラブホテルなどがあり、代々このエリアがカップルたちのデートコースとして機能してきたことを想起させる。なんせ男体山と女体山である。ちなみに万葉集の時代(〜760年)には、歌垣というイベントがあり、これはどんなイベントかというと、男女が歌を詠み合い、意気投合するとどこかへ消えていく、というようなものであったという。詳しくは、万葉集や常陸国風土記を調べてみよう。
昼飯とガマの油売り
神社の駐車場に車を停め、まずは腹ごしらえ。
歴史ある門前町には土産物屋や飲食店が非常にたくさんあるが、事前に調べておかないと美味しいご飯にはありつけないかもしれない。味が悪くても客が来るエリアなのだ。我々も景色に釣られ、まあまあの昼食を済ませる。




登山口となっている筑波山拝殿の鳥居のあたりで、あの有名なガマの油売り口上を見た。
ガマ油の作り方、気になる。


調べてみると江戸時代から傷薬として用いられていたというガマの油だが、現在売られているものにはガマガエルの成分「蟾酥(センソ)」は含まれていないらしい。薬事法の制限とのことだ。
蟾酥は漢方の世界では生薬として今も使用されていて、強心作用などがあるそうだ。



ガマガエルに鏡を見せるとストレスで蟾酥を含む液体を出すらしいね



ガマガエルは鏡を見ることがなんでストレスなんだろう



口上によると、己の醜さに気がついてストレスを受けるみたい



ひ、ひどい。。
ルートは白雲橋コース(しらくもばしコース)


登山コースは色々あるが、今回は筑波山神社の東側の側道から女体山を登っていく白雲橋コースで行くことにする。
筑波神社向かって右手の道から山道に入っていく。




途中、つつじヶ丘へと分岐する道があるので左手に行く。
女体山から攻めるこのコースでは
弁慶七戻り、高天ヶ原、母の胎内くぐり、などのスポットを順当に訪れることができる。
山頂までおよそ600mほどの登山だが、運動不足の身にはそれなりにきつい。
途中、着込んでいたダウンジャケットを脱いだが、セーターの下に着たロンTは汗だくだ。
我々の先を歩いていた熟年カップルは「水を買い忘れた!喉が渇いたからもう無理だ」と言いながら早々に引き返していった。
たとえ低山でも登山には水が必須と再認識。


奇岩「弁慶七戻り」。今にも頭上から落ちてきそうな岩に、かの弁慶ですら通るのをためらい7度引き返したという伝説がある。




奇岩「北斗岩」。名前の由来は、天空に輝く北斗星のように、決して動かないこと、らしい。。
奇岩「ガマ石」。ガマの油売りの初代、永井兵助がこの石を前にして口上を思いついたという


母の胎内くぐり。筑波山禅定という修験の行場になっていて、通り抜けることで心身を清められるという。


奇岩「出船入船」。船玉神という航海の神を祀っているとのこと。熊野灘を遥拝しているとのこと。
なぜそんな遠くの海を遥拝するのか。本来は、かつて筑波山のふもと近くまであった内海、香取海の航海に関係していたのではと勝手に想像する。
こうして登ってみると奇岩群の存在感は大きい。
写真に撮らなかったが高天原という場所もあり、日本創生神話に関わっていることを匂わせるストーリーが散見される。イザナギノミコト、イザナミノミコトを祀っているのも伊達じゃない。


女体山にある筑波山神社本殿。伊弉冉尊を祀っている。
イザナミノミコトは筑波女大神(つくばめのおおかみ)とも呼ばれる。
この日は凄まじい強風が吹いていた。


女体山から男体山へ向かう途中に、御幸ヶ原という平坦な場所があり、土産屋や茶屋が並んている。
カフェでコーヒーを飲むことができた。
また、帰りのケーブルカーはここから乗ることができる。


男体山側の本殿からの景色は素晴らしかった。
素晴らしすぎて、社殿の写真は撮り忘れた。
近くに筑波山固定局という電波塔のようなものが立っていた。
NHKと関東民放4社のテレビ局の固定局だという。
帰りはケーブルカーに乗ってみた。






帰りに土産屋でガマの油を買ってみた。


しかし、購入から1年経過してもまだ一度も使えていない。火傷をすることがなかなか無いのだ。
そしてここでしれっと、この登山が行われたのは2024年1月だったことを記しておく。
筑波温泉ホテルで日帰り温泉
筑波山は低山の部類に入るかもしれないが、結構しんどい。
かなり汗もかいたので、GoogleMapで日帰り温泉を探した。
そして筑波温泉ホテルという場所が評価が高かったので向かった。
車で10分もかからなかった。
筑波山の門前町の喧騒から少し離れた場所にあり、静かで良い雰囲気。
温泉も綺麗で、泉質もバッチリ素晴らしく、まさに穴場。
最高のフィナーレを迎えることができた。


筑波山トレッキング。運動不足でもギリ登れるくらいの難易度で、見どころも多く楽しめた。
良い温泉も見つけることができたのでまた来たい。
というわけで次回の目標を書いておこう。
- 昼食について事前に調べておく
- 歌垣が行われていた夫女ヶ石(ぶじょがいし)という場所へ行く
- ケーブルカーを使わず御幸ヶ原コースを攻める


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